つきつけられた宣告

これはかつて私が運営していたテキストサイトからの転載です。
もし元ネタのサイトを見つけたら、そっとブラウザを閉じて下さい。

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こないだ大学の友人達と会ったからでしょうか。
大学時代のある出来事を思いだしてしまいました。
あまりよくない思い出、というか最悪。


ある二人の女の子がいました。
AさんとBさんということにしておきましょう。
この二人はとても仲がよく、いつも二人で一緒にいる。
レズ?と疑いたくなるくらい、いつも二人でワンセット。
僕はこの二人とは、顔見知り程度の知り合いで、特別仲がよかったわけではありませんでした。
けど、僕の友達が、この二人と仲が良く、たまーにお話する機会がありました。
しかし、どうも気になることがあった。


僕と友達が一緒にいて、A&Bとばったり出くわしたなら、普通は4人で軽いトークが始まるワケじゃないですか?
しかし、どうもAさんの様子がおかしい。
全然会話に入ってこようとしない。
ひどい時なんか、Bさんを放っておいて先に歩いていく始末。


・・・俺、避けられてる?
会う度に毎回Aさんがそんな態度なので、気になって友達に聞いてみました。
「なあ、俺Aさんに避けられてる気がするんだけど・・・。」
「そんなことないでしょー。考えすぎだよ」
「じゃあ、今度見ておいてくれよ」


で、注意して見ていてもらうと・・・。
「ホントだ・・・」
友達もびっくりしていました。ようやく気がついたようです。
「だろ!どうみても嫌われてるだろ!?」
「おかしいなぁ、他の男の子とはよく喋るのになぁ・・・」
他の男の子とはよく喋るそうです。
男嫌いとかではなさそうです。
ますます嫌われてる可能性が高くなってきました。
「Aさんに何かしたの?」
何もしてません。てか、喋ったこともありませんが。


さすがに、僕も気になってきましたので、彼女の親友であるBさんにこっそり聞いてみました。
「なあ、Aさん俺のこと避けてねぇ?」
「だよね?実はあたしも不思議に思ってた」
さすが、彼女の親友であるBさんは気づいていたようです。
「けど、ほんだ君のこと嫌いとか言ってたことはないけどなぁ」
結局Bさんにも、詳しい事はわかりませんでした。
そうして、僕はAさんと一言も口をきくことなく、大学4年間を過ごし、卒業の日を迎えたのでした。


卒業式後の、クラス全員での飲み会。
僕は、ある決心をしていました。
「Aさんに、直接聞こう!」
「嫌われてるなら、嫌われてるでちゃんと理由を聞こう!」
「んで、何か悪い事をしてたなら謝ろう!」
どうせこの日を最後に、Aさんとも会わなくなるんですから、ズバッと聞いてみようと思いました。


そして、運命の飲み会がスタート。
もちろん、Aさんもいらっしゃいます。
友達と楽しそうにお喋りしておられます。
無論、僕から遠く離れた席です。
宴もたけなわというところで、
「よし!行こう!」
と、僕は覚悟を決め、彼女に近づいていきました。
「ほんだはAさんに超嫌われている」
というのは、もはやクラスの常識となっていたので、周りの友人も固唾を飲んでコトの成り行きを見守っています。


「あの・・・、すいません。」
「・・・」
意を決して話しかけましたが、Aさん超無視。
イカン、心が折れそうだ・・・。頑張れ、俺。


「あの!すいませんけど!」
「なに?」
ようやく返事をしてくれました。
これが記念すべきAさんとのファーストコンタクト。


「Aさん、僕のこと嫌いなんですか?」
聞いた!ついに聞いた!よくがんばった!俺!


「うん、嫌い」


ミもフタもない返事が返ってきました。
え?やっぱりそうだったの・・・?
予想してたとはいえ、面と向かって言われるとキツイ。
てか、「うん、嫌い」って。
そんな遠慮無くどストレート投げなくてもいいんじゃないの?
ちょっと躊躇するとかないの?


「え・・・と。なんででしょうか・・・?」
声を絞り出すように尋ねる僕に対し、Aさんは


「生理的にイヤ」


なんてこと言うんだ、この野郎。
ソコは、「ちょっと苦手なんだよね・・・」とか言えよ。
TPOを知らんのか、テメーは。
凹む僕に対し、Aさんはさらに、


「あなたは、私とかにかまわないで、
あなたのことを好きな友達がいっぱいいるんだから
そういう友達を大切にしたほうがいいよ。」


などと、説教までくれやがりました。
僕は何も言うことができずに、ただ
「はい・・・」
とだけ言っていました。


「酒持ってこい、オラー!!」
その夜は飲まずにはいられませんでした。
面とむかって嫌いとか言われたのは初めてだったなぁ。
しかも「生理的にイヤ」とか言われちゃ、フォローのしようがないし。
大学最後の夜に俺、完全敗北。


そんな大学生時代のステキな思い出。
ステキじゃねぇよ。